オリフィス板(プレート)のエッチング加工

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1. オリフィス板とは

オリフィス板は、配管内の流量測定や制御に使用される金属製のプレートです。この板には「オリフィス」と呼ばれる小さな開口部があり、流体が通過する際に流れを絞る機構として機能します。

シンプルな構造と高い耐久性を兼ね備えたこの部品は、システム全体の効率や精度を左右する重要な役割を担っています。

 

2. オリフィス板のエッチング加工

流量測定や制御システムの効率や精度を最大化するためには、適切な加工法を検討する必要があります。

オリフィス板を製作する場合、レーザー切断やウォータージェット切断、機械加工などさまざまな手法がありますが、金属薄板のオリフィス板を加工する場合の選択肢として、エッチング加工が挙げられます。

etching

エッチング加工を用いることで、ミクロン単位の高精度な加工が可能となり、板厚t=0.01mm~0.5mmの金属薄板に微細な孔を形成できます。

エッチング加工は写真製版技術の応用と化学的な腐食によって、金属薄板に任意の形状を作り出す加工方法です。

バリ・ひずみ・加工硬化が発生せず、微細な形状を高精度に加工することが可能です。

エッチング加工でオリフィス板を製作する際、以下の技術的な利点があげられます。

  • 高精度な開口部: 数ミクロン単位の寸法公差を実現し、流量計測の精度を向上させます。
  • 滑らかな表面: エッジや開口面が平滑で、乱流や圧力損失を効果的に抑えます。
  • 複雑な形状対応: 円形以外の特殊形状も柔軟に加工可能です。
  • コストメリット: 高精度で複雑な設計を低コストで実現し、小型化や軽量化のニーズにも応えます。

3. 加工精度と加工事例

弊社のエッチング加工は、①標準的なメタルエッチングと②精密ハイブリッドエッチングの二種類あり、いずれかを選択いただけます。板厚以下の微細な孔径をご要望の場合は、当社独自のハイブリッド加工をご検討下さい。

ハイブリッドエッチングの詳細はこちら

 

加工精度

仕様①メタルエッチング(標準)②精密ハイブリッドエッチング
加工材質SUSや銅等Ni-Cu-Ni
板厚t=0.01mm~0.5mmt=0.04mm~0.1mm
開口部の最小孔径板厚x150%
例)t=0.1mmの場合、
最小孔径はφ0.15mm
板厚x75%
例)t=0.1mmの場合
最小孔径は約φ0.08mm
開口部の最小公差板厚×レンジ30%±0.008mm

上記以外の仕様(板厚や孔径等)をご希望の場合も、まずはご相談下さい。

加工事例

SUS材 t=0.05mm 

開口部の孔径φ0.2mm

 

ハイブリッド材(Ni-Cu-Ni)t=0.05 

開口部の孔径φ0.155mm

4. オリフィス板の用途例

オリフィス板は、そのシンプルながらも効果的な流量制御機能から、様々な機械や設備に組み込まれています。ここでは、代表的な例をいくつかご紹介します。

流量計

最も一般的なのが、オリフィス板を利用した流量計です。パイプラインにオリフィス板を設置し、その前後の圧力差を測定することで、流体の流量を算出します。

ショックアブソーバー

自動車のショックアブソーバー(振動抑制装置)の中には、オリフィスの絞り作用を利用して減衰力を調整しているものがあります。オリフィスの穴径を調整することで、乗り心地を硬軟に変化させることができます。

空気圧機器

空気圧シリンダーやバルブなど、空気圧機器には、オリフィスを用いて空気流量を制御するものが多くあります。

化学プラント

化学プラントでは、様々な化学物質の流量を正確に測定・制御する必要があります。オリフィス板は、そのシンプルさゆえに、多くのプロセスで利用されています。

5. まとめ

エッチング加工は、パターンの再現性に優れ、微細な形状や高精度な加工を実現する技術です。
金属薄板(板厚t=0.01mm~0.5mm)のオリフィス板では、ミクロン単位の精密な孔加工を実現します。

エッチング加工のメリット

  • バリ・歪み・カエリ・加工硬化のない高精度加工
  • プレス加工などの高価な治具は不要で、イニシャルコストを大幅削減
  • 短納期での製造・出荷ができるので、試作品に最適
  • 複数同時に加工できるので、量産にも適応

メルテックでは、お客様のご要望に応じたエッチング加工サービスを提供しています。 材質や板厚、サイズはもちろん、小ロットから量産まで柔軟に対応可能ですので、お気軽にご相談下さい。
TEL:04-7178-8800 E-mailinfo@e-meltec.jp

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