モーションコントロールと位置検出

モーションコントロールの概要

工作機械や産業ロボット、事務機器、自動車業界など、あらゆる分野で不可欠なのがモーションコントロール技術です。近年、拡大を続けているモーションコントロール市場ですが、その世界規模は今後5年間に年平均5.2%の成長を見込んでいます。

本記事では、モーションコントロールの概要や種類解説に加えて、エンコーダやエンコーダ用スケールといったモーションコントロール技術を支えるキーデバイスについても解説していきます。

出典

MarketsandMarkets – 世界のモーションコントロール市場(〜2027年)[2022年5月版]

モーションコントロールとは

モーションコントロールとは、文字どおり「モーション(動作)をコントロール(制御)すること」です。
具体的には、サーボモータやリニアモータ、ステッピングモータなどによって駆動する機械の動作制御のことで、「多軸にわたる高精度な動作制御」といった意味で使用されることが多い用語です。

motion controller

また、モータの位置制御の他にも、速度制御やトルク制御もモーションコントロールの一部であり、多軸工作機械や産業用ロボット、半導体製造機など、あらゆる機械制御にとって不可欠な技術です。

モーションコントローラが必要な理由

高精度な多軸制御や、丸みを帯びた輪郭制御など、複雑な動作制御に対応するためには、複数のモータを同時に制御する必要があり、高度な演算処理が要求されます。

このような、通常の位置決めコントローラでは対応できない繊細な動作制御を可能にしているのがモーションコントローラです。

また、機械装置メーカーにとってソフト開発はかなりのリソースを要します。動作制御が集約された一つのモーションコントローラを使用することで、メーカーがソフト開発を行う手間が省け、開発の生産性は大きく向上します。

モーションコントローラの位置付け

一般的な機械制御装置は、以下の4つの要素で構成されており、それぞれが動作指令を出したりフィードバックを受け取ることで装置が作動しています。

上位コンピュータ

パソコンやPLCのことで、ソフトウェアによってモーションコントローラへ動作指令を送ります。

モーションコントローラ

上位コンピュータからの指令や、ドライバからのフィードバックに対して演算処理を行います。また、処理結果を踏まえて各種ドライバへ制御信号を送ります。

ドライバ(アンプ)

モーションコントローラから受信した制御信号を電流に変換し、モータへ動作指令を送ります。また、モータから受け取った位置情報をモーションコントローラへ動作情報としてフィードバックします。

モータ

各種ドライバから入力された電力を回転運動や直線運動に変換し、機械を駆動させます。また、モータには位置検出用のセンサ(エンコーダ)が付属しており、検出した位置情報を各種ドライバへ電気信号としてフィードバックします。

motion control

モーションコントローラの種類

モーションコントローラは以下の3つに大別されます。

PLC専用タイプ

PLC専用のモーションコントローラのことで、PLCをメインコントローラとして活用している場合に使用します。PLCだけでは難しい、多軸にわたる高精度な動作制御を必要とする機械に導入されています。各PLCメーカーが自社PLC専用のモーションコントローラを発売しています。

スタンドアロンタイプ

上位コンピュータを使用せずに単体で稼働することができるモーションコントローラです。PLCメーカー以外の制御機器メーカーによって様々な製品が発売されています。電源、シーケンサ、モーションコントローラを一体化することにより、手軽に小型化、省スペース化を実現しています。

モーションカードタイプ(モーションコントロールボード)

スタンドアロンタイプでは対応が難しい、大規模な動作制御を必要とする機械に使用されるモーションコントローラで、「産業PC用カード」と呼称される場合もあります。

産業PCのスロットに差し込んで使用することで、PCにインストールされているインターフェースやアプリケーションを利用しながら、同時に高精度な動作制御を高速で行うことができます。

モーションコントロールにおけるエンコーダ(位置検出センサー)技術

ここからはモーションコントロールを支えるエンコーダの技術について解説していきます。モーションコントロールの需要拡大に伴い、位置検出を担うエンコーダの重要性にも注目が集まっています。

エンコーダとは

エンコーダは、センサーによって検出した移動量や角度などの位置情報を電気信号として出力する電子部品です。

エンコーダには直線方向の移動量を検出するリニアエンコーダ、回転方向の移動量(角度)を検出するロータリーエンコーダの2種類があり、モータと組み合わせることで位置情報を出力し、動作制御の中枢を担っています。

encoder

需要が拡大し続けるモーションコントロール市場において、高精度なエンコーダ技術への期待が高まっており、近年では小型化・省スペース化への対応を目的とした反射型エンコーダが活躍の場を広げています。

「エンコーダ」に関する詳しい解説はこちらのページをご覧ください。

エンコーダ用スケール

エンコーダ用スケールとは、先述した位置検出センサー「エンコーダ」に使用される部品です。
直線方向の制御には「リニアスケール」、回転方向の制御には「ディスク(コードホイール)」がそれぞれ使用され、高精度なエンコーダ技術を内側から支えています。

冒頭でも解説したとおり、近年モーションコントロール市場の需要は大きく成長を遂げています。位置検出を担うエンコーダについても高精度化・省スペース化など独自の要求が高まっており、さらにエンコーダのキーデバイスともいえるエンコーダ用スケールに対するカスタム化の動きも活発化しています。

メルテックではお客様のご要望に合わせたカスタムスケールの製造を承っております。用途に応じた材質や省スペースへの対応はもちろん、試作品から量産品にいたるまで、幅広い生産性を実現いたします。

「エンコーダ用スケール」に関する詳しい解説はこちらのページをご覧ください。

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