金属薄板の精密加工といえば、これまでプレス加工や切削加工などが広く活用されてきました。しかし、精密で極薄な金属部品への需要が増す中で、従来の加工方法では対応が難しい場面も出てきています。
そこで注目されているのがエッチング(フォトエッチング)加工です。厚さわずか0.01mmの金属薄板であっても、「バリ」「歪み」なく複雑かつ微細形状を実現できます。
本コラムでは、エッチング(フォトエッチング)加工と従来の加工方法を比較し、それぞれの特徴や利点について掘り下げて解説します。金属加工の選択肢を知ることで、最適な加工方法を見つける手助けになれば幸いです。
1. 4つの加工方法の特徴
エッチング(フォトエッチング)加工
写真製版技術の応用と化学的な腐食によって、金属薄板に任意の形状を作り出す非接触の加工方法です。機械的な負荷がないため、薄い部品や微細形状の加工に適しており、原理的に「バリ」「歪み」が発生しません。イニシャルは原版のみで高価な金型が不要なため、試作や中量生産においてコストメリットがあります。材質はステンレスや銅をはじめ、モリブデン等の難削材にも対応可能です。

切削加工
旋盤やフライス盤の刃物で金属を削り出す加工法です。ミクロン単位での加工も可能ですが、「バリ」や「歪み」が発生することがあります。金型は不要ですが、基本的に1つずつ加工していくため小ロット試作に向いています。材質の制限は少ないものの、モリブデンやチタンなど難削材の加工は難しい場合があります。

プレス加工
金型を使用して金属板を強い圧力で打ち抜き、成形する技術です。量産性が非常に高く、数万~数十万ロットの大量生産に適していますが、初期の金型製作コストが課題です。加工時に「バリ」「歪み」が発生することがあり、一般的に極薄材や微細加工は不得意です。幅広い金属が加工できますが、硬い材質の加工は難しい場合があります。

レーザー加工
レーザー光を金属に照射して溶かして切断する方法です。金型が不要なため、少量であれば比較的安価に製作できます。一方で加工時に材料が熱変形したり、切断面にダレが生じる場合があります。アルミニウムや銅などの加工は不得意です。

精密部品エッチングならメルテックにお任せください!
ご相談・お見積りはこちら
2. 加工比較一覧
加工法を比較検討する際は、それぞれの加工特性を把握することが重要です。
各加工法を「コスト/量産性」「精度」など7項目で徹底比較しましたので参考にして下さい。
3. エッチング(フォトエッチング)が選ばれる理由
エッチング(フォトエッチング)加工は、金属薄板の精密加工において多くのメリットを備えた技術です。 プレス、切削、レーザー加工では困難な課題にも対応できるため、ぜひ選択肢の一つとしてご検討ください。
エッチング加工のメリット
- 複雑かつ微細形状の作製に最適
- 薄板材にストレスがかからず、バリや歪みが発生しない
- 高価な金型が不要で、初期コストは原版のみ
4. エッチング加工事例
エッチング加工は、その優れた特性を活かして幅広い用途で使用されています。メルテックでは、カメラや光学機器の絞り(アパーチャー)、電子回路用のメタルマスク、スペーサー、エンコーダ用スケール(ディスクやリニア形状)、さらにはフィルターといった部品に至るまで、多様な加工実績があります。
これらの製品は、高い精度と優れた耐久性を兼ね備えており、さまざまな産業分野で活用されています。複雑で微細な形状の作製はエッチング加工の大きな強みであり、その特性を最大限に発揮して、産業界に貢献しています。

SUS製エンコーダ用ディスク
(ハブ付も対応)

フィルター
(形状と取付穴は全て同時加工)

微細形状の銅板バネ

金属遮光板
(黒処理まで対応)
5. エッチング加工のお問合せはメルテックへ
高精度な微細加工で思うような仕上がりが得られずお悩みではありませんか?
メルテックは精密フォトエッチング技術で、バリや歪みのない高精度加工を実現します。
「細かい部分が思い通りに仕上がらない…」
「複雑なデザインの再現が難しい…」
そんな課題に寄り添い、最適な解決策をご提案いたします。
エッチング加工のことなら、ぜひメルテックにご相談ください。
メルテックでは、お客様のご要望に応じたエッチング加工サービスを提供しています。
材質や板厚、サイズはもちろん、小ロットから量産まで柔軟に対応可能ですので、お気軽にご相談下さい。
TEL:04-7178-8800 E-mail:info@e-meltec.jp
精密部品エッチングならメルテックにお任せください!
ご相談・お見積りはこちら